ごあいさつ

ごあいさつ

 小児期から思春期、若年成人期に発症するがんは、疾患の成り立ちが成人期以降に発症するものとは異なり、また、発達段階にある時期の発症は、患者さんとご家族に様々な影響をもたらします。そして、治療が終わった後も、ライフステージが進むごとに困難さや悩みが続いたり新たに生じることがあります。

小児期から若年成人期にがんを経験された方々への支援について、滋賀県では第3期滋賀県がん対策推進計画(2018〜2023年度)において「ライフステージに応じたがん対策」を分野別施策として設け、「小児がん・AYA世代の相談支援体制の整備」の目標が定められました。本事業である「小児がん相談支援事業」は、この目標に基づき滋賀県の委託を受け、前代表の桑田弘美教授を中心として2019年4月より開始されました。「小児がん・AYA世代の相談支援体制の整備」の目標は、現行の第4期滋賀県がん対策推進計画(2024〜2029年度)においても引き続き定められ、拡充が進められております。

「小児がん相談支援事業」は、滋賀医科大学大学院医学系研究科小児保健看護学と小児科学講座、滋賀県健康医療福祉部が共同で実施する、小児期から若年成人期までにがんを経験された方々とご家族への専門的な相談対応を行う機能をもったワンストップ専門相談を始めとした支援事業です。スタッフは、看護師や医師、保健師等の専門職にて構成されており、医療や行政等の専門的な支援を行っております。相談事業のほかにも、小児がん経験者やご家族、医療従事者等を対象とした講演会や研修会の開催、ホームページ等での情報発信を行っております。

小児期から若年成人期にがんを経験者されている方や経験された方、ご家族のみなさま、お困りのことなどがございましたら、些細なことと思われるようなことであってもご連絡ください。一緒に考えていきます。

(AYA世代:AYAとはAdolescent and Young Adultの略であり、思春期と若年成人期にある人々のことを指します)

代表 菊池良太(滋賀医科大学大学院医学系研究科臨床看護学講座小児保健看護学)